バンクーバーの部屋探し ~家族渡航の我が家の場合~

海外留学、移住、ワーホリ問わず、まず誰でも最初にぶつかる課題が家探し。今回は、私たち家族がカナダ バンクーバーに来た時の家探しについて書こうと思います。バンクーバーには10年以上前に2回旅行で来たことはあった程度で、現地に知り合いもいもいなかったため、自力で家を探す必要がありました。また、子どもありの家族での渡航だったため、単身で渡航する場合よりも気にしなければいけないポイントが多くかありました。
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家探しは渡航前か渡航後か
ホームステイ以外の場合は、カナダへ渡航してから住む家を探す方が多い印象です。理由としては、大家がどのような人物か直接会ってみるまで分からない、契約していざ来てから話が違うとなったり、詐欺にあう可能性などのトラブルを避けるためです。私も可能であればその方がリスクが少ないと思いますし、単身であれば恐らくそうしていたと思います。一方で、今回は私たち家族は、日本から事前にリモートでバンクーバーのアパートの契約をしてから渡航しました。
渡航前に契約した理由
- 小さい子どもがいるので、渡航後に子連れで頻繁に家を内見に行ったり、大荷物を持っての引越しをすることはできれば避けたかった
- 生活セットアップやカレッジ開始にむけた準備など渡航直後のやること盛りだくさんのタイミングで、家探しの時間・労力を費やすことでストレスを抱えたり疲弊するのは避けたかった。
- 住所を確定させておけば、コストの安い船便で先行して引越し荷物をあらかじめ送れた。
- 住所が確定していることで、携帯電話や固定インターネットなど前倒しでできる手続きがいくつかあった。
- 一時滞在のためのAirbnbやホテルを検討したものの、金額がかなり高かった(月額換算で、通常家賃相場の2~3倍以上)
部屋の探し方
バンクーバーの賃貸探しは日本のように不動産仲介業者というのがほとんど存在せず、基本、個人の物件オーナーが貸したい物件を掲載して借主を募集し、そこに借りたい人(Tenant)が問い合わせて双方合意の上契約するという、個人間CtoCのでのやり取りになることが多いです。
私たちも最初はそのつもりだったのですが、もなきさんという方が発信されているYoutubeとウェブサイトで、カナダローカルのVanmateという日本人スタッフの方もいる代行エージェントがあることを知り、そちらを利用することにしました。
- エージェントを使った理由
- 当時物件が足りていないバンクーバーでは完全に売り手市場だったので、Claigslistで新着物件情報ををひたすら見たり、連絡しても返事が来ないことや、物件の取り合い競争で疲弊しそうだったこと。
- カナダのクレジットヒストリーがないため、エージェントをはさむことで信用性が多少増し、大家側に選ばれないリスクが軽減されることの期待。
- 大家や物件の信頼性について、不動産業者目線でのアドバイスや、第3者視点でスクリーニングをしてもらえるとの期待(怪しい大家にだまされないこと)。
- 日本人の営業の方がいたので、日本人の価値観と視点での実績がありそうだったこと。
- 必要初期費用の大家への支払いを代行・中継してくれること(支払いの証拠を第3者に残せる。大家の持ち逃げリスクの回避。)こと。クレジットカードで払えること。
- エージェント(Vanmate)がしてくれたこと
- 物件探し、条件に合った物件のリストアップ
- 各物件の大家へのコンタクトとやり取りの代行
- 内見代行
- 賃貸契約書のレビューなどの契約補助
- 物件引き渡し時の立会い(実際は、都合が合わず来れなかった)
- エージェント(Vanmate)を使った感想
- 物件を検索する時間や労力はかなり削減された
- 大家とのコミュニケーションを代行してもらったので、自分でやりとりを管理したり、問合せや返事が来ないなどのストレスを抱えることは無かった
- 物件情報については、Claigslistなど他の方がみる一般サイトを代わりに見てタイムリーに紹介してくれるという感じで、自分がやる作業を代行してくれるイメージ。特に独自ルートのものを持っているわけではなかった。
- 契約書のレビューに関しては、法務観点やリスク管理視点の知識まではなく、条件等が通常よくある項目かどうかを教えてくれるレベルにとどまった。
- エージェントの費用
1ヵ月間の契約で、金額は1,000カナダドル(日本円103,900円 2025年3月レート:1カナダドル=103.9円換算)でした。額面だけ見ると一見高く見えますが、実際に削減できた手間と時間コストや、もしAirBnBやホテルの一時滞在先が必要であればかかっていた費用を考えると安かったと感じます。
我が家の部屋探しの条件
私たちは子連れ家族だったため、留学生やワーホリの方の多くがまず検討されるルームシェアやホームステイなどは選択肢外、住居全体の賃貸契約である必要がありました。
探すにあたって、エージェントへ下記の条件を探してもらいました。実際は条件にはまらないものもたくさんきましたが(特に洗濯機が共有の物件が多かった)、概ねあったものの紹介がきました。
必須条件 ・洗濯機/乾燥機が共有ではなく自室内(←これは絶対譲れない) ・Skytrainの駅から徒歩圏内 ・カレッジまでDoor-to-Doorで45分以内 ・ベースメント以外 ・小学校の学区(Catchment)がいまいちなエリアでないこと ※ |
できれば ・建物の入口にセキュリティドアかゲートがある ・ゴミがいつでも捨てられる |
いらないもの ・ジム、ラウンジ、コンシェルジュなどの共用施設・サービス ・駐車場(車を持たない前提) |
※小学校の学区(Catchment)について
私たちは住む場所を選ぶときに、学区は優先事項としてかなり気を使って調べました。渡航時に子どもは4歳だったので、1年デイケア(保育園)に通わせた後、バンクーバーでは1年後にKindergarten(義務教育)になるので、学生の子どもは学費が無料の公立小学校(Elementary School)付属のKindergartenに入れる想定をしていました。越境の仕組みこそありますが、基本的には住んでいる住所によって学区(Catchment)と小学校が自動的に決まってしまい、同じ学校でKindergarten→小学校にそのまま上がることになります。
特に優秀な学校である必要はなかったのですが、学力・教育的に微妙だったり、荒れていたり、人種が偏りすぎていてDiversityが無かったり、付き添って送り迎えするのに距離がありすぎるというのは避けたいというのが私たち夫婦の思いでした。
私たちは、下記の2つを組み合わせながら大体のエリアを絞り込み、まずエージェントに条件として伝え、さらに紹介をされた物件がどこのCatchmentに入りそうか、その周辺の小学校はどうか、通学の時間はどうかなどを1つ1つ見ていました。
1.BC州のElementary SchoolのRanking
Elementary School、Secondary Schoolの評価スコアやESL(英語クラス)参加者の割合が載っている下記のサイトがあり、とても役に立ちました。
- Fraser Institute: PDF Report (2024):
- Fraser Institute:School Ranking:
一概にスコアだけではなんとも言えないとは思ったのですが、土地勘もなかったため、目安として最新年かつ直近5年間平均のRatingが6.2以上(BC州の中で全体の半分より上)くらいを安心材料の目安として見て、6.0を切るようなスコアの学校が数多くあるCatchment付近は避けるようにしていました。
2.学区(Catchment)のMap
下記サイトで地図やリストで小学校の位置と学区の境界線などが見れるので、上記1のスコア情報と合わせて、紹介された物件と近隣小学校の位置関係を確認しました。
- Vancouver Catchment Map (VSB):
- Burnaby Board of Education:
- New Westminster Schools:
部屋探しの手順とスケジュール
下記のような手順で進めました。物件数は60件程度を検討しましたが、運良く1つ目の内見・申し込みで決まり、渡航の3週間前に正式契約ができました。
- 渡航4ヵ月前まで:
- Youtubeやブログなどの情報サイトなどで、バンクーバー近郊の地域の特徴や、住宅事情、家賃相場を理解
- 渡航4ヵ月前~2か月前
- Claigslistを時々眺めて、バンクーバー近辺の具体的なアパート相場、空き状況、出てくる物件の動向や理解を深める(見るだけ)
- 渡航2ヶ月前
- エージェント(Vanmate)の日本人の営業の方とオンラインミーティング
- エージェント(Vanmate)とサービス契約、その後担当の方とオンラインでイニシャルコンサルテーション(ここから先はすべて英語)
- 渡航1ヵ月半前~3週間前
- エージェントの担当とWhatsAppグループが組まれる
- WhatsAppに来た物件リストから、気になったものをピックアップして返信。並行して夫婦でもClaigslitなどを見てエージェントに対して逆に「これはどう?」とリストに追加。
- エージェントが大家へコンタクトをし、情報取得や内見依頼などのやりとりを行う。
- 返事が来たものにエージェントが内見に行き、写真やビデオを共有する。
- ライブでオンライン内見、当時住んでいた人とも会話。別途大家とビデオ通話。
- 渡航の3週間前~2週間前
- 大家に正式申込したい旨を伝える
- 大家から契約書ドラフト提示、内容レビュー
- デポジットなど初期費用の支払い
- 家財保険(Tenant Insurance)の契約
- 正式に賃貸契約締結
- 渡航後
- 渡航当日、大家と現地で待ち合わせ
- 大家と部屋の状態・ダメージなどチェック、引き渡しのサイン
- 入居
なお、我が家はバンクーバー到着同日に入居したので、到着後空港からタクシーでアパートへ直行し、現地で大家と待ち合わせて引き渡しをしてもらう流れでした。飛行機や入国を遅れた場合のために到着時間から5時間ほどバッファーをとっていたのですが、スムーズに入国手続きが終わり早すぎたため、空港のベンチでしばらく時間をつぶした後、大家と連絡を取り合いながら現地に向かいました。大家から説明を聞き、部屋の傷や状況を確認し、既定用紙に双方サインし、鍵を受け取って1時間ほどで引渡しが終了しました。
ちなみに、当日床に寝るのはつらいので、オンラインでIKEAから最低限の家具(ベッド・マットレス・シーツなど)をあらかじめ購入して、到着日配達で手配をしていました。疲れていたのでベッドは組み立てませんでしたが、とりあえずマットレスを床においてシーツだけかければ寝床として十分使えたので、到着当日に快適に寝る場所だけは確保できました。
部屋探し・契約にあたって提示した書類
- 家族全員分のパスポートコピー
- 学生ビザの承認通知
- カレッジの合格通知(LOA)
- 英文銀行残高証明書(金額を厚くするため、夫婦2人それぞれの口座を提出)
- 家族3人の写真(印象よくするためできるだけ笑顔で一緒に写っている楽しそうな雰囲気のもの)
- 英文ResumeとLinkedInのリンク
- ヨーロッパ在住時の国のクレジットスコアのスクリーンショット
最後の3つはもしかすると必要なかったかもしれないですが、カナダでクレジットヒストリーがない中、私たちの人間性や、安定した収入の職業についていたことで支払能力があるとの印象を持ってもらいたかったので、こちらから追加で付けました。
部屋探しにかかった初期費用金額
項目 | 支払先 | 金額(CAD) | 金額(JPY) |
Agent Fee (Vanmate費用) | エージェント | $1,000.00 | 103,900円 |
Prorated Rent (初月日割り家賃) | 大家 | $1,838.71 | 191,042円 |
Security Deposit (家賃半額分) | 大家 | $1,425.00 | 148,058円 |
Move in/move out fee (Move in fee) | 大家 | $250.00 | 25,975円 |
Tenant Insurance (家財保険1年) | 保険会社 | $223.10 | 23,180円 |
Total | $4,736.81 | 492,155円 |
*レート 1カナダドル=103.9円(2025年3月時点)で換算
BC州の法令でSecurity Depositは家賃の半額までと定められているようで、立場の弱い借主側が搾取されないようにガバナンスが聞いているのが良い意味で想定外でした。また、大家側の契約条件として家財保険(Tenant Insurance)に加入してその証書を送ることが必須でした。大手もいくつか見積をとったものの余計な項目が多く金額も高かったので、最終的にエージェントからのすすめもあった年間200ドル前後のコスパのいいApolloという保険会社で契約をしました。
部屋探しの感想
- エージェントを間に入れたことで、物件探しの効率がとてもよく、物件競争が激しい中3週間ほどで決まった。また、リモートで事前に契約してしまうことについても第3者の介在があることで大家側にも牽制ができ、安心感が増した。
- バンクーバーでは3人家族が住めそうな部屋の家賃相場は、2,500~3,500ドルくらいが中心でやはり高かった
- 中心部から外れていっても家賃は劇的には下がらず、下がっても差額は300~400ドル/月程度。結局車が必要になり車購入・ガソリンコスト・保険料などがかかる点を考慮すると、車なしで高めの家賃で利便性の高いところに住むのと、トータルで大差はない気もした。
- 築年数はあまり気にしていなかったが、古い物件は洗濯機/乾燥機共用がほとんどで、洗濯機室内の条件をいれると必然的に築浅のものが中心となった。
- 物件動向の関係で、BrentwoodやMetrotownなど、新規開発が次々と進んでいるエリアの新築超高層マンション紹介が多く、好みがわかれるところかだと思った。
- 大家有利に契約書条件が定めらていることを警戒していたが、BC州が賃貸契約のルールをかなりしっかり定めており、BC州規定の賃貸契約テンプレートも使用されていて、借主側(Tenant)が守られている内容も多く、かなりまともな賃貸契約書だった。
まとめ
ということで、家族でバンクーバー留学をした子ども有りの我が家の渡航時の家探しの話でした。渡航前に契約をすることは日本でも他国でもしたことがなく、少々不安もありましたが、結果としてよかったと思います。また、バンクーバー到着初日から部屋が使えることで、すぐに生活のセットアップに入ることができた点は大きなメリットでした。
幸いにも大家の方もかなりまともな方でした。ただ私たちは単にラッキーだったのかもしれないので、リモートで事前に契約をされる方は、部屋探しの段階から大家とのやり取りや動向をよく観察することをお勧めします。最初の段階でコミュニケーションが悪かったり、言動に矛盾があったり、質問や依頼にはっきり答えないなどの場合は要注意だと思います。私たちの場合は、最初の問合せ時点から大家はレスポンスもよく内容も合理的だったのでまあ大丈夫そうな人だなという印象は、やり取りを続けるうちに強くなり、安心感が増しました。
この話が、一事例として今後家族でバンクーバーに引越しされる方の何かのお役に立てばうれしいです。