サービス終了のSkypeの移行先:Localphoneを使ってみた

Landphone電話

2025年5月5日で、20年間にわたりサービス提供されてきたSkypeがサービス終了。もう20年かと思いつつ、ローンチ当時は画期的なサービスで衝撃を受けたのを覚えています。自身も最近は利用も減ってきたのですが、Skypeクレジットを購入して世界中の固定電話・携帯電話などの番号へ安価に通話できる「Skype-out」の機能だけはよく使っており、重宝していました。

特に海外居住者組には、日本の銀行や役所等の電話番号に連絡をする必要があるときに、Skypeは頼みの綱でした。廃止がマイクロソフト社から発表されたときから何となく移行先を模索していましたが、残りのクレジットを使って引き続き使える移行期間があるのであまり真剣に探してはいませんでした。そんな中、先日残クレジットも使い切ってしまったので、慌てて真剣に調査を開始。

数ある中でも固定費がかからず都度チャージで使えるもので探していたところ、比較的ハードルが低く使いやすそうなLocalphoneというサービスを見つけて、試してみました。結果、Skypeの代替として使えそうと感じたので、利用した感想も含めこちらで紹介してみたいと思います。

Localphoneとは

Localphoneロゴ

Localphoneは、イギリスを拠点とするVoIP(インターネット電話)サービスで、国際通話を低料金で提供しています。

ユーザーは、スマートフォン、固定電話、またはPCから、従量課金または月額プランで通話を行うことができます。特に、各連絡先に対して専用のローカル番号が割り当てられるため、国際通話でありながらローカル通話として扱われ、通話料の節約が可能です。

iOSとAndroid向けのアプリも提供しており、外出先からでも手軽に通話やテキストメッセージの送信ができます。45カ国以上の仮想電話番号を月額料金でレンタルも可能です。(テキストは送信のみで受信はできないようなので、SMS認証等には使えませんね)。

初期費用や契約期間の縛りがなく、必要な分だけ支払う柔軟な料金体系が特徴で、国際通話のコストを抑えたい個人ユーザーや小規模ビジネス向けということで、Skypeにとても似ています。

Localphoneの機能

通話機能

ローカルアクセス番号による通話各連絡先にローカル番号を割り当て、国際通話をローカル通話の料金で利用可能。
インターネット電話(VoIP)PCやモバイル機器から通話ができ、Localphoneユーザー間は無料通話。固定電話にも通話可能(有料)。
コールバック機能発信後すぐ切るとLocalphoneが折り返し、通話を接続。
オンライン発信ウェブ上で通話を設定し、登録電話に着信させて通話開始。

メッセージ

国際SMS送信アプリやウェブから、低料金で海外SMSを送信可能。

着信機能

仮想着信番号レンタル50カ国以上の番号をレンタルし、転送先に着信可能。
ボイスメール留守電メッセージを録音・確認できる。

その他の機能

通話フィルタリング特定番号からの着信をブロック可能。
通話転送他の電話番号へ着信を転送可能。

Localphoneの料金形態

※レート 1英ポンド=194円で換算(以下このレートを使用)

従量課金制(Pay as you go)

CategoryLocality / NetworkPrice / min
LandlinesAll Other Landlines1.3p (2.52円)
IP Phone1.9p (3.69円)
MobilesAll Networks6.3p (12.22円)

月額プラン(日本への発信のプラン)

NameMinutesMonthly FeePrice / min
Japan 100100£4.75 (922円)4.8p (9.31円)
Japan 400400£15.75 (3,056円)3.9p (7.57円)

申し込み方法

Localphoneのホームページに行く。
Sign upボタンから申込画面へいき、必要事項(名前、居住国、電話番号、メールアドレス、パスワード)を入力し、アカウント作成。
ログインした状態でAdd Creditのメニューから、決済方法を選んででクレジット購入(通貨は英ポンド、ユーロ、米ドルから選択)。
数時間後に購入したクレジットが反映される。
ダウンロードアプリからもクレジットを使って電話ができるようになる。(PCのアプリケーションもありそちらもダウンロードすればPCからでも使えるようです)

使用した感想

今回は、今住んでいるカナダから日本の銀行のコールセンターに問い合わせをする必要があり、使用してみたのですが、全体を通じてSkypeの代替として問題ないと感じました。

接続・音質

接続は切れることはありませんでしたし、音質についてはプツプツと若干のノイズ感はありましたが会話には支障なく、IP電話であれば全然許容範囲かなと思いました。

アプリの使い勝手

Localphoneスクリーン

アプリもシンプルでSkypeと機能が似ていて直感的に操作ができる作りになっており、迷うことはありませんでした。発信もKeypadのメニューを出せばそこで電話番号をいれてすぐに発信できますし、コンタクトを登録できたり、発着履歴などの基本機能もSkypeと同じ感覚でうまく使えそうです。

ちなみにアプリからは新規申し込みはできないようですので(ログイン画面しかない)、まずはブラウザ上で申込みしてID・パスワード登録、それからアプリでログインをする必要があるようです。

金額

日本向けは、Localphoneのサイト上では下記の通りとされています。

  • 固定電話向け:1.3ペンス/分(英ポンド)=約2.52円
  • 携帯電話向け:6.3ペンス/分(英ポンド)=約12.2円

1分あたり2円台なのでSkypeとはほぼ同じくらいの金額かと感じます。今回は銀行に10分程度ずつ2回かけたのですが、0.25ポンド(約48.5円)分がクレジットから減っていたので、ほぼ記載通りになっているかなと思います。

クレジット(残高)のチャージ

チャージは特に問題なくできましたが、気にしておいた方が良い点がいくつかあるかと感じました。

支払い方法はVISA/MasterかPayPalが使えました。チャージ金額はカードの場合は最低額5英ポンド(約970円)からでしたが、PayPalの場合は最低10英ボンド(約1,940円)からでした。初めて使う事業者なので一応セキュリティやリスクも考え、今回はPayPalで決済しました。なお、残高チャージはアプリからはできず、ブラウザ上のみでできるようです(見つけられていないだけかもしれませんが...)

注意点としては、チャージ手続きをした後、実際にアカウントに金額が反映されるまで数時間程度かかる点です。完了するとメールが来ますが、自分の場合も1時間半ほどかかりました。通話中や実際すぐかけたいとなったとき使えないと不便なので、余裕をもってチャージしておくことをおすすめします。

また、決済通貨はGBP/EUR/USD(英ポンド/ユーロ/米ドル)の3通貨から選ぶ必要があります。日本円は選択肢にないので、日本円クレジットカードで決済する場合は、実際にはクレジットカード会社の為替手数料などが上乗せされた換算レートになるかと思います。

まとめ

ということで、特に海外住みの人にとっては日本の銀行や役所などの日本の固定電話の番号への発信の定番だったSkypeの終了はショッキングなニュースでしたが、何とか移行先はこれで行けそうな気がします。最初はアプリの評価が低かったので少し心配でしたが、今の所は問題なさそうに感じています。

自分の場合は、主には日本の固定電話番号にかける、たまに旅行中にホテルやレストランの電話番号にかける程度というSkype-Outの代替で、スポットで必要な時だけ海外の電話番号にかけたいというニーズしかないため、とりあえずクレジットを使った固定電話番号への発信しか使いませんが、色々と便利な機能もあるようなので機会が出てくれば使ってみようと思います。同じようにSkype-outからの移行先を探されている方の参考になれば幸いです。

※上記は、この記事を書いている時点での個人的な体験に基づくものです。最新の情報については公式サイトをご確認ください。